9月2日 全校朝会講話

9月2日に、zoomで放送された校長先生のお話を紹介します。

期末テストはおわりましたが、テストのお話です。

(以下、校長先生のお話です。)

 

明日から定期テストですね。

そんな中、テスト後の忘れられない姿の話をします。

画面を見ながら、聞いてください。

 

一人目はAさんです。

テストが終わると、おなじみの光景がどの教室でもあるかと思います。

テストが返された後です。

仲のいい友達と、「お前何点だった?」「俺は何点だ」「勝った~」「負けた~」

という光景です。

私は社会科の教師ですので、地理のテストを作成し、返却した時でした。

その際に、Aさんを含む仲の良い男子数名が集まっていました。

おそらく事前に打ち合わせいて、「せーの」で見せ合おうとしたのでしょう。

教室後方で、大きな声で「せーの」の後、「えー、嘘だ、お前!」という声が

教室に響き渡りました。

他の生徒たちはびっくりしていましたが、

採点した私には何がおこったのかは大体予想できました。

Aさんは前回のテストより30点近く点数が高かったのです。

自分たちと同じ点数であろうAさんが30点近くも自分たちより点数が高かったのです。

驚いた友人たちは、ガリ勉したな!とか、カンニングだろ、とか、まぐれだ!等々の

心無い言葉を浴びせていました。その友人に対して、Aさんは次のように言いました。

俺、授業でちゃんとやってたし!

その時のAさんの自信に満ちた姿が忘れられません。

 

2人目はBさんです。

この生徒は勉強が苦手な生徒でした。

何をどこから手をつけていいかわからない状態でした。

1回目の定期テスト後に、私はBさんに自信をつけさせたくて次のように話しました。

「何事も手ごたえが大切だ!どの教科で点数を伸ばしたいか決めよう。

1教科でいい。後は捨てていい!」

今思い返せば若気の至りで、ただただBさんに自信をつけてほしかった。

いわゆるやればできるを実感させたかったという一心でした。

結果は前回よりも点数が少し上がりました。

Bさんはテスト返却の瞬間はうれしそうでしたが、

あまり自信をつけた感じは見られませんでした。

実は忘れられない姿はBさんではありません。

そのお母さんです。

今から20年以上前には家庭訪問という制度がありました。

担任が全家庭にお邪魔している時代があったのです。

そこで、話をしていてふと気づきました。

そのテストが額縁に入れて飾ってあったのです。

お母さん、あのテストを飾っているんですね。

ああ、ありがとうございます。

実はうちの子は何をやっても感情をあまり出さない子でしたが、

あのテストだけは、うれしそうに持ち帰ってきてすぐに私に見せました。

先生に連絡しようとしましたが、息子から「絶対にするな、先生には言うな」の

一点張りだったものですので、、、

あーそうだったんですね。努力の成果ですね。よかったですねと伝えたところ

お母さんは次のように言いました。

「先生、家宝にします」

の額縁に飾られたテストは、

わが子の可能性を信じた結果だといわんばかりのほほ笑みが忘れられません。

額縁で飾られた賞状は、どんなに明るい照明よりも、

その部屋を明るくしていると想像すると、とてもうれしくなりました。

 

最後にCさんです。

Cさんは実は私です。

私は数年前のテストで大失敗をしました。

そのテストとは校長選考検査です。

校長先生となるには論文テストを受けるのです。

その試験の3日前に、熱中症になり、39度まで熱が上がりました。

すぐに薬局に行き、熱を下げる薬を飲みました。

翌日には熱が下がり、試験を受けることはできました。

しかし、急激な体調の変化により、私の心と身体と頭はバラバラになっていました。

直前に仕上げようとしていた私の受験プランはもろくも崩れ、当日の体調もすぐれず、

まったく力を発揮することができませんでした。

テスト翌日の朝、顔を洗おうとして鏡で自分の姿を見て実感したのは、、、

健康第一。

今思えば、何よりも体調管理を最優先すべきでしたし、

日々の生活習慣を見直すきっかけとなりました。

 

テスト前日や当日に緊張する人がいるかと思います。

これまでやってきたことに自信をもってください。

Aさんのように。

自分にとっての目標を超えればいいのです。

Bさんのように、

そして何よりも

健康第一で臨んでください。

テストに向けて、経験こそ財産です。

うまくいったら素晴らしい。

うまくいかなくても経験値が上がります。

先生方は心から応援しています。

以上で私の話を終わります。

 

(スライド資料)

2025年09月05日